新卒で入社した外資系証券会社を経て、米国でMBA取得。帰国後、ベンチャー起業。
株式会社ミツカリ 代表取締役CEO
表 孝憲さん
外資系証券会社からキャリアをスタート。そして、キャリアを改めて考るためにアメリカのビジネススクールに留学し、帰国後起業。
――これまでのご経歴と現在のお仕事について教えていただけますか?
新卒で外資系証券会社のモルガン・スタンレー証券株式会社(現モルガン・スタンレーMUFG株式会社)に入社しました。そこでは債券セールスをしていました。お客様は大手の機関投資家やメガバンク、地銀、生命保険会社さんで資産運用しているのですけれど、その資産に対して、「こういう商品に替えませんか?」と提案したり、逆に「買い取るので売りませんか?」と提案したりする仕事をしていました。同時に入社半年くらいからリクルーティングコミッティーと呼ばれる採用チームに参加して採用面接をしてました。
そこで、営業成績もそこそこ上げることができて、採用でも頑張ることができていたのですけれど、人生一度きりということもあるし、ベンチャーキャピタリストの方との出会いなどもきっかけとなり、再度自分の人生をリセットしてみたい、キャリアを改めて考えたいと思い留学をしました。
いわゆるアメリカのビジネススクールに留学して、全然毛色の違う、モバイルセキュリティーの会社やスマホの脳トレのゲームLumosityという会社でインターンをしたりしました。。留学中に多くの人と会う中で帰国する直前くらいに自分も起業したい、そして事業をやるのであれば、一番興味のある人事・採用関連だと思うようになり、帰国後、株式会社ミツカリという会社をはじめました。
そこでカルチャーフィット、例えば、会社に合う・合わないとか、会社内でも合う・合わないみたいなところや、合わないけれどどう接したらよいのかなどを可視化するHRテックといわれる領域でサービスを提供しています。
――留学しようと思ったのは、入社してどれくらい経ってからのことですか?
何か違うこともいろいろやってみたいなと思い始めたのは、2010年くらいですね。
我究館という就活塾の社会人版のようなところに通って、興味のある方向性に気が付いたという感じなので、3~4年目くらいからうっすらもしかしたら何か思い始めていたのかもしれません。丸7年くらい勤めて辞めました。
――辞める時は迷いはなかったですか?
MBAに合格していたので、迷いませんでしたね。
自分にとっての違和感を大事にすること、自分に向き合い、自分が本当にしたいは何かを考え続けることを心がけている。
――カルチャーフィットのサービスということですが、学生時代にアメフトをされていたご経験など影響していたりしますか?
アメフトはチームでのスポーツですので、能力でみると国立大学だったので、私立大学のような推薦もないので勝てるわけないと思われがちですが、いろいろなメカニズムが働くと、それが逆転できるようなことが起きるということにすごく興味があって、一人ではなくてチームになるとどういうことが起きるのか?というところに興味があったんですよね。経験があってというより、元から興味があったから、そういうところが印象に残っているという方が近いかと思います。
――お仕事やキャリアで心がけてこられたことは何でしょうか?
違和感を大事にすることや、キャリアに関して「これで本当によいのかな」とか、「自分が本当は何がしたいのだろう?」などと、自分について深く考えたり、内省することを心がけ、続けています。
今も起業して会社をやっていますけれど、毎年年始にコーチの人と話して考えるようにしています。自分の想いを言語化して磨いていく作業なんですよね。ぱっと答えが出て終わりというものではなく、そのイメージは徐々に磨かれていくので、続けた方が絶対によいと思っています。
就職活動で自己分析したときに、こんなにいろんなことがわかるのに何故就職活動でしか皆しないのかと不思議だったんですよね。自分を知ることはとても大事なことだとその時からずっと思っています。
――毎年、やりたいことが結構変わったりするものですか?
大枠は変わらないですね。確認している感じです。
自分でやりたい事業をやっているので、相当やりたいことができているんじゃないと思われがちですが、それでも「何かパワーが出ないな」という時もあるんですよね。でも確認する中で、「自分のやりたいことは大筋間違っていないな。では頑張ろう」みたいな気持ちになることが多いです。
自分はどうしたいか等、就活、留学前のエッセイを書く際、留学中、起業するときなど相当考えた回数もある方だと思うので、かなり磨き上げられていると思いますが、もっときれいに磨き上げられると思っています。
だから、定期的にコーチングを受けることをめちゃくちゃ推奨していて、周りの人にもしつこいぐらい言っています(笑)
本当に大切なものは「他の人が羨ましがる」は、ほぼどうでもよくて「自分がいい」で決めなくてはいけない。サポーターセッションでは、誰もが持っている強みの周りに隠れている「やりたいことを」考えるきっかけをつくっている
――サポーターセッションではどんなお話をされましたか?
ピカピカのキャリアの人でも何か迷っていたりする人が多いのですが、根底には基準が自分にあるのかどうかという気がしています。
自分にとってすごく大切なものって市場的な感覚、つまり他のだれかにとってよいという基準で選ぶのはあまり正しくないと思うのですよね。
例えば、結婚相手を他の人がうらやましがるからという視点で選ぶとうまくいかないのと同じように、本当に大切なものは「他の人が羨ましがる」は、ほぼどうでもよくて「自分がいい」で決めなくてはいけないということなのだけれど、「自分のいい」って何なんでしょうね?という話をしている感じですね。
僕自身がモルガンでそこそこ成績も上げられていた時に感じた渇望もあったので、そういう話をするようにしています。
それから、自分ももがきながら、ある程度やりたいことを見つけることができて、めちゃくちゃ後悔することも多いけれど、自分で事業をやってきて、茨の道を歩んできた経験などお役に立てられるところはあるのかなと思っています。
人それぞれすごく特別なもの、何かしら輝くものが絶対あって、僕から見たらそうとう素晴らしい能力を持っているということを伝えたり、そういう強みの周りに必ずやりたいことが隠れているので、考えるきっかけをつくっている感じです。
その人の持っている素晴らしいものを見つける数が増えたら僕も幸せ。
特にコーチングを受けてやりたいことを考えているタイミングで、利用する方が増えたら嬉しい。
――サポーターでいることはあなたにとってどんな意味や価値がありますか?
僕の人生にとって、人の人生に勝手に入り込んで、「あぁでもない、こうでもない」とその人の持っている素晴らしいものを見つける数が増えたら幸せなので、僕の幸せに直結していることだと感じています。
それぞれの人が自分のやりたいことや強みに気づいて生きていけたら他の人にも優しくなれるので、いい世の中になれるんではないかなと思っています。
――どんな人に使ってほしいと思いますか?
迷っている人ですね。ある程度やりたいことがここだと見えていて、そこに向かって突き進んでいて、若くから成績が出るような人もいるのですけれど、そうではなく、50~60歳くらいになってようやく大作が描けた画家がいるように、やりたいことを探し続けた人もいますよね。多分前者の人はやりたいことがわかっているのでそれほど迷わないと思うのですけれど、後者のように迷っている人がほとんどだと思うので、その中で人生のサンプルとして、自分は心のABテストと勝手に呼んでいるのですけれど、「心がどっちが震えるか?」「何故、この話に感動するのだろうか?」いろいろ話を聞いて考えるきっかけにしてほしいと思っています。多くの迷っている方に使ってほしいと思っています。
言葉にする、話す、説明を他人にするということで、わかっていそうでわかっていない自分のことがよりわかると思うので、すごく意味があるものだと思いますので、そのきっかけになるセッションになればと思っています。
特にコーチングを受けてやりたいことを考えているタイミングで、利用する方が増えたら嬉しいです。