Coach Interview

コーチ紹介インタビュー

就職面接の帰り道に違和感から内定を辞退し大学院へ進学後、モノづくりを通じて人の役に立ちたいという想いで医療機器メーカーに就職。

 

―― これまでのキャリアについて教えてください

 

私が自身の

キャリアを考える上で起点となったのは、就職活動で感じた「本心」だと思います。

 

大学4年生の就職面接から帰る道中、突如寂しい気持ちになったんですよね。
3人兄弟の真ん中で、特別裕福な家庭でもなかったですし、大学進学後は普通に就職するものだと思っていましたが、

就職して、ずっとこの地で働くのかなぁと考えたら、なんだか違和感ありましてね。なんか違うんじゃないか、今動かないと絶対後悔すると思って、すぐにその場で両親に電話して、「大学推薦の就職を辞退して、もう2年勉強させて欲しい」と懇願しました。本当にやりたいこと、それにむけた就職先を探したいと思って。恐らくそれが、自分らしいキャリアを歩み始めた第一歩だったと思います。

 

大学院に進学したものの、普通に学生生活を送っていてはダメだという強い危機感から、海外に進出した日系企業でのインターンシップに参加しました。その体験を通じて自分の殻を破る楽しさを知りました。

 

そして、もともとモノづくりが好きだったこともあり、それを通じて人の役に立ちたいという自分の価値観にあっている医療機器メーカーに就職しました。

 

何年か日本で働いた後、アメリカの支社に3年ちょっと駐在しました。客観的に日本をみると、日本で働いている人は窮屈そうに見えましたね。またアメリカで働いていた時はいろいろな業務の人と関わることが多かったので、自分の視野が広がりました。だからこそもっとこうしたらいいのにと思いながら仕事していましたね。

 

余談ですが、アメリカに行って3日後に日本で長女が産まれて、周りからは「子供が生まれたばかりだというのに、お前ここで何をしているんだ?日本にいなくてよいのか?」って言われました(笑)そしてホテルで1人、「ここで何してるんだ」って泣いていました。12年前の話ですけどね。当時は会社に命じられたとおりに動くこと、それしか選択肢が無いと思っていたんですね。これもまた、私にとっては大きな出来事でした。その後、日本に帰国して品質保証業務へ。併せて、労働組合の執行委員も兼任しました。

 

40歳過ぎてからコーチングを学び、現在は副業でコーチングもスタートし、今に至ります。

 


 

コーチングを通じて、メンバーの主体性を引き出したいとコーチングを学び、人の悩みや成長をより深く理解できるように。そして自分自身もより良い状態に

 

―― コーチングを学び始めたきっかけは何だったのでしょうか?

 

日本に帰ってきてから会社の業務や労働組合の活動でリーダーとして仕事を進める中で、メンバーの主体性を引き出せないことへの悩みでした。

 

当時、私は「あなたはどうしたいの?」「もっとやりたいようにやったらいいじゃん」という思いが強くなり、環境も整えようと組織開発に取り組んだのですが、むしろ相手をコントロールしているように受け取られてしまったようで、「別にどうやりたいとかありません。高橋さんの言う通りやりますよ」と言われてしまいました。労働組合でも同じような出来事があり、このままじゃダメだと危機感を感じたのが1つのきっかけでした。

 

私は、みんなにのびのび生き生きと仕事をしてほしいという想いで関わっているのに、なぜこんなことになっちゃうんだろうと悩み始め、そこからコーチングを学び、メンバーの主体性を引き出すための方法を探し始めました。

 

コーチになろうと思ったのは、コーチングを具体的に勉強し始めた40歳を過ぎてから出会った1冊の本 『ドリームマネージャー』に感銘を受けたことがきっかけです。

 

この本は、活気も希望も無い会社を、コーチングを通じて変えていくというお話です。ずっと、自分らしく活き活きと生きていける人を増やしたいと思っていましたが、さらに コーチングを学び、自分らしく生きるためのサポートをしていきたいという思いが強くなり、コーチとして生きることを決めました。

 

 

―― コーチングを学んだあと、どのようにしてコーチとしての仕事するようになったのでしょうか?

 

オンラインクラスで学んだ後、東京に出て半年ほどコーチングスクールに通いながら勉強したのですが、

その中で、100人にコーチングをするという課題があったんです。その過程で、私自身も何度もコーチングを受け、自分の殻を破るきっかけを作る為に、『卒業する前に副業で有料セッションをする』という目標を立て、達成に向けて努力しました。

 

会社には副業制度がありましたが、まだ自分とは関係のないものと考えている人が多く、労働組合でその制度を取り入れた身としては少し寂しい思いがしていたところでしたので 、自分がコーチングを副業としてやっていることで、少しでも会社の周りの人に良い刺激になればと考えました。また、家庭でも、会社だけでなく副業もしている親の姿を子供たちに見せられる良さもあると考えたんですよね。 『周りの成長に良い影響を与えられる存在でありたい』それは私の価値観のひとつでもあります。

 

その後、先輩コーチが携わっている事業のお手伝いをする中で、大学生にキャリアコーチングを実施したり、コーチングを教えて欲しいとリクエストを受けて個人的に教えたりすることにも挑戦しています

 

 

―― コーチの仕事と他の仕事との関係性はありますか?例えば、それぞれの仕事に生かされていることなどあれば教えてください。

 

私は人事の仕事ではありませんが、昔から組織開発に興味があり、自分なりに考え、行動してきました。現在もその活動は続けていますし、いろいろ失敗も経験してきました。

 

そのような経験に加えてコーチングを通して、人の悩みや成長をより深く理解できるようになりました。私自身の視野を広げ、より精度の高い思考を養う上で、とても役に立っていると思います。

 

また、 私自身もコーチングを受けながら、本業でも挑戦を続けています。その姿が、クライアントに勇気を与え、より良い結果につながることもあるのではないかと考えています。

 

さらに、私は所属しているチームでも、1 on 1やチームコーチングなどを日々実践しています。職場での学びは、クライアントの方々にも共有できますし、助けになるのではないかと考えています。

 

好きなコーチングを日々取り入れることで、私自身もより良い状態になると感じています。本業においても確実にプラスに働いていると実感していますし、コーチングを学び始めてから仕事の評価も上がりましたよ。

 

このような良い循環が生まれることは、コーチとして、とても幸せなことですよね。

 

 


コーチングは「宝探しゲーム」クライアントさんの状態を高めるために、冗談を言ったり、笑いを誘ったりして、楽しい雰囲気を演出しています

 

―― 印象に残っているコーチングセッションやコーチングを受けた方の変化について教えてください。

 

1年以上関わらせて頂いたクライアントさんとのセッションが印象に残っています。

テーマは、『進めたい事業の大きな方針を決めるミーティングで、メンバーに何をどのように伝えると良いか』というものでした。

 

セッションでは、クライアントさんの想いやビジョンを深掘りし、メンバーそれぞれの気持ちや立場を整理し、最終的に伝えるべき内容や伝え方のイメージが明確になりました。

 

そのクライアントさんからは、以下のようなご感想を頂きました。

 

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自分でもコーチングの良さは知っているし、日頃セルフコーチングで色んなことに向き合って過ごしていますが

今回のテーマは自分のやりたい事業の大きな方針を決めるミーティングでの関わり方についてでした。

関わる人それぞれの気持ち、俯瞰して見る視点、未来から見た感覚が、頭では想像していなかった色々な場面に連れて行ってもらうことができ、こう伝えたらいいんだがハッキリとわかりました。

次のステップに繋がるセッションをこのタイミングで受けることができ本当に良かったです!!

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セッションの後半、私は思い付きで新聞記者になりきり、事業を成功させた未来のクライアントさんに数分インタビューさせてもらいました。

 

「〇〇理事長、おめでとうございます!! 今どんな気持ちですか? その気持ちを、今誰に伝えたいですか? … これまでの道のり、平たんではなかったと思うのですが、一番の困難は何でしたか? それをどうやって乗り越えてきたのですか?」

 

人って 感情が動くと思考もガラッと変わるもので、そこでは次々と貴重な気付きが生まれてきました。その時のクライアントさんの目の輝きが忘れられません。

インタビューしていてとても感動したことを覚えています。

 

今、そのクライアントさんは夢に向かって確実に前に進んでいます。そして私は、思い描いたそのシーンが近い将来現実のものとなると確信しています。

 

自分自身で後からそのセッションを振り返った時に、仮想インタビューというクライアントさんにとっては経験のないことだったと思いますが、コーチを信じて真剣に取り組んでくださったクライアントさんへの感謝がこみ上げ、改めて感動したことを覚えています。コーチはクライアントさんに育てて頂くのだなと言うことに改めて気付かされた貴重な経験でもあります。

 

 

―― コーチングでいつも心がけていることはありますか?

 

心掛けていることは、クライアントさんにいい状態でいてもらうことです。

 

ご機嫌でいると脳の働きが変わり、パフォーマンスが高まります。そのため、たまに冗談を言ったり、笑いを誘ったりして、クライアントさんがいい状態でいられるように心がけています。

 

その一例として、コーチングを「宝探しゲーム」に例えて説明することがあります。

 

何がどこにあるかはわかりませんが、 必ずクライアントさんの人生をより輝かせる宝物がどこかに埋まっているはずです。それをセッションの時間で、一緒に楽しく探しましょう!というスタンスです。

 

もうひとつ、『楽しく』というのもポイントです。先にもお伝えしましたが、人間の脳は楽しんでいるときが高いパフォーマンスを発揮します。だからこそ、コーチをしているときの私は普段より茶目っ気5割増しで、楽しい雰囲気を演出しています(笑)

 

1回のセッションの中でこれだっていう宝物が見つからないこともあります。本人が宝物探しをしようという気分ではないときも、ぶっちゃけあります。

 

そんな時に私が心掛けていることは、 例え宝物がその時間内で見つからないとしても、必ず参加賞だけは渡すということです。セッション前に比べてほんの0.1mmだけでもクライアントさんの状態がよい状態になるように、そこは死守するようにしています。

 

―― よくセッションで投げかける「問い」などがあれば教えてください。

 

例えば、クライアントさんが大事にしている価値観を探すときに、子供の時の嬉しかったり楽しかったりした体験を聞くのですが、その時によく使う問いは、純粋に「え?どうして?」です。嬉しいとか楽しいに対する「どうして?」って、あまり訊かれない質問だと思うので、価値観を引き出すときにはよく使いますね。

 

他には、クライアントさんの仰ったことに対して「言ってみてどうですか?しっくり来ていますか?」という問いもよく使います。「何がしたい」とか、「こんなことしたらよさそう」とか、色々話してもらうのですけれど、なんかまだ頭で考えて「こうあるべきだ」とかそういうことで答えているような気がするときがあるのですが、改めて言葉に出してもらうことで、無意識に言っていたことがしっくりきていなかったことに気付くことがあるんですよね。

 

セッションの最後に「描いた未来に向かって今から1分でできることがあるよ。何だと思う?」という問いも使います。セッション時間の中で初めの一歩に踏み出しておくことで、クライアントさんが現場に戻られた後の2歩目も踏み出しやすくなるんです。

 

 

思い描く理想は『80歳、小学校のグランドで子供たちに混ざって遊ぶコーチングじじい』

 

―― me:Riseでコーチをしようとおもった理由は何ですか?

 

コーチングを学び、会社で実践していく中で、私自身もそうでしたが、自分のやりたいことが見つけられずにモヤモヤした中で苦しんでいる人や、それを見つけられないことに焦っている人が多いことを知りました。悩みを相談できる人が周りにいない人も多いんだなってことも。

 

同時に、そういった方にコーチングでお役に立てることがあること、そして、そんなクライアントさんとの挑戦が私自身の成長と充実の糧にも繋がることも体験してきました。

 

だからこそ、自分らしく活き活きと生きられる方や組織を増やしたいというのが今後も私のやりたいことであり、キャリアコーチングを軸にそこに真摯に取り組まれているme:Riseで是非私も挑戦したいと思ったからです。

 

―― 高橋さんからご覧になったme:Riseの良さとは何ですか?

 

me:Riseの良さは、やっぱり「品質を維持した上で良心的なお値段」と「サポーターへのキャリアヒアリング」だと思います。

 

ひとつ目については、コーチングを受けたことが無い方にとって、そのサービス価格は大きな壁になりますよね。会社としてサービスの品質を保証した上で、 この価格で提供するという姿勢に、心意気を感じました。

 

ふたつ目のme:Rise公認サポーターへのキャリアヒアリングについては、初めて見た時、すごくおもしろいなと思いました。 コーチングをしている時に未来イメージを描くことは多々ありますが、そこで描けるイメージって、クライアントの中にある体験や知識のコラージュなんです。だから、本人の中にその要素が無い限りは描けない。みすみすチャンスを逃してしまうことも。そこを補填してくれるのがこのサービスだって思いました。

コーチングとの相性も最高ですよね。

 

―― これからどんなことをしていきたいか?夢や目標があれば教えてください

 

私自身、家族や友達、今務めている会社の仲間、そしてキャリアや自己実現に悩む方々のドリームマネージャーになりたいです。だって、身の回りにドリームキラーってたくさんいますよね。

 

いつかのセッションで、80歳になったときには"小学校のグランドで子供たちに混ざって遊ぶコーチングじじい"ってイメージを描いたんですね。もともと子供が好きだったし、学校の先生になりたかった時期もあって、そうしたら、いつの間にか近いシーンが実現していました。我が子がサッカーを習い始めて、一緒に練習に参加して、、たまに指導したりして。そうしたらいつしか「コーチ」って呼んでくれる子供たちも出てきてて(笑)

 

Facebookやメルマガで頭に載せている次の言葉は、私の信念みたいなものです。

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周りの目を気にすることなく

誰もが自由に夢を語り合える

そしてそれを面白がりながら

拡げ支えてくれる仲間が居る

そんな社会にできるといいな

まずは自分の近くから

 

菩薩のようなメンタルコーチ あきさん

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【Profile】

高橋 明久

大手医療機器メーカーに20年在籍し、設計開発とマーケティング(米国駐在経験含む)を経て、現在は品質保証に従事。昔から”イキイキしたチーム”を目指して取り組むも空回りの連続だったが、コーチングと出会い試行錯誤する中でその風向きが変化。現在は社内の組織風土改革をリーダーとして推進する傍ら、会社員や個人事業主、大学生らにコーチングを提供。

 

菩薩のように優しく穏やかに聴く態度から、楽しく話している内に自然と気付きが得られ、行動に向けた勇気も湧いてくると定評あり。

 

(株)アナザーヒストリー プロコーチ養成スクール 認定コーチ