Coach Interview

コーチ紹介インタビュー

「未来にいい時代を残したい」という強い思いで歩み出したキャリア

 

―― 現在のお仕事の状況をお聞かせください

 

ストレングスファインダー®を使った企業研修や、エグゼクティブの方へのコーチング、チームビルディングなどに多くの時間を充てています。夜や土日は主にビジネスマンの方へコーチングを行っています。また、株式会社ルバートの法人向け資料作成講座の講師のお仕事も月に2回程度担当しています。研修の仕事が6割、コーチングの仕事が4割くらいの比重ですね。

独立してもうすぐ2年経ちますが、休みの取り方をそろそろちゃんと考えようと思っています(笑)。

 

 

―― お仕事以外で、好きな時間の過ごし方を教えてください。

 

信頼できる家族や仲間と、「こんなこと出来たら面白いよね」などアイディアを出し合ったり、人それぞれの傾向性の違いについて話したりしながら、おいしいものを食べ、飲むのが至福の時間です。

 

また、自分の知らないことを知ることにとてもワクワクするので、定期的に学びの時間を取るようにしています。本を読むことも好きですが、人と話しながら学ぶ方が好きなので、勉強会に参加したりしています。

 

 

―― 現在に至るまでのキャリアの経緯を教えてください。

 

ちょうどバブルの最末期の頃に大学を卒業しました。経済学部ということもあり、就職先は誰もが金融業界を選ぶ時代でした。私もご多分に漏れず金融業界に進む道を選び、その中でも公共性の高い仕事がしたいと思い、日本銀行に勤務しました。

 

そこでは、欧米の国際金融情勢のリサーチや、景気見通しに7年ほど携わり、その後2年はマーケットのディーリング業務(為替介入)に関わらせていただきました。

 

9年ほど勤めた後退職し、丸4年子育てに専念して専業主婦として過ごしました。日本銀行時代にお世話になった先輩がシンクタンクに転職され、「少しずつ仕事を再開してみないか」と誘っていただき、2005年より時短勤務で働き始め、嘱託研究員という形から最終的には本格的な研究員として13年間お世話になりました。

 

―― 公共性の高い仕事がしたい、と思われていらしたんですね。ちなみに子供の頃になりたかった職業は何でしたか?

 

小学校の先生です。先生が先生用のオレンジがかった赤ペンでテストに〇付けをするのが面白そうだったこと、小学校5,6年生の時に担任だった熱血先生に反抗しつつも、一生懸命向き合ってくれた姿に影響されていたのかもしれません。

 

―― そうだったんですね。そんな子供時代の重次さんが熱中されていたことは、どんなことでしたか?

 

これは難問ですね(笑)。面白そうだと思うとまずやってみて、ある程度上達すると又次の面白そうなことにシフトするタイプでした。ただ、人と一緒に何かをやるのは大好きで、小学校での生徒会の行事、中学高校での学園祭での出し物、体育祭の応援団などは、かなり気合を入れてやっていましたね。

 

 


 

―― ありがとうございます。活発で好奇心旺盛でいつも人に囲まれているイメージが浮かびました。お仕事の話に戻りますが、日本銀行に約10年間お勤めされた後、退職される際に迷いはありませんでしたか?

 

非常に迷いました。ただ、朝も早く夜も遅くまで及ぶ仕事でしたので、子育てとの両立は無理だろうと思ったんです。今考えてみると、なんとかやりようを模索できたのかもしれない、色んな選択肢があったのだろうなとも思います。

復職を考え始めた頃、日本経済は大きな転換期であり非正規の雇用が増え始めた時期でしたので、正規雇用で働くことのハードルがとても高くなっていました。私も非正規雇用で時短勤務という形でしか復職できませんでした。そのあたりはキャリアを中断したことの影響の大きさを感じましたね。

 

 

―― 日本銀行をご退職され、4年間子育てに専念された後、新しい環境でお仕事に復帰されていかがでしたか?

 

仕事復帰するにあたり、周りの方にもとても迷惑をかけたと思います。まだ下の子が2歳、上の子が4歳のときでしたのでとても手のかかる時期でした。その頃、ちょうど近所に延長保育があって18時過ぎまで預かっていただける先進的な幼稚園があったので仕事し始めようと思うことができました。

 

実は日本銀行を辞める時に、“子育てしながら仕事をする”ということを追求せずに専業主婦になったことで、心の中でずっと何か逃げ出したような気がしていたんですよね。ですから、また仕事をする機会をいただけたことはとても有難かったです。

 

―― シンクタンクでの研究員としてのお仕事はどうでしたか?

 

私は、『未来にいい時代を残したい』という強い思いを持っています。「どういう風にしたらよくなるのだろうか」「どういう問題があってどう解決するべきなのか」という課題解決や、「日本全体をどう考えるか」ということに携わることが好きなんですね。シンクタンクでの仕事も日本銀行と同じように、会社全体で日本の課題をどう見つけてそれをどう考えるかという視点で仕事しているところが、とても面白く、且つ大事なことだと共感して働いていました。

 

―― シンクタンクで15年間お勤めされた後、辞められたきっかけは何ですか?

 

辞める2年前くらいから私の関心事項が、これまでやってきたマクロ経済のリサーチから周囲の人へと変わっていったんです。そこからコーチングを学びだし、コーチの道に進もうと思うようになり、退職しました。

 

当時、私の周りにはとても優秀な人が沢山いたのですが、別の部署からとても仕事のできるスーパーマンが異動してきても、異動先の部署では実力を発揮できなかったり、逆に今の部署で実力をうまく発揮することができなかった人が、他部署への異動や、転職で目覚ましく活躍したりしていることを目にする中で、優秀な人がどこに行っても力が発揮でいるわけではない、これは何か別の要因があるのではないか、そこについて非常に知りたくなったのです。コーチングを学んでいた兄から話を聞いているうちに、もしかしたらコーチングからヒントが得られるかもしれないと思うようになり、コーチングを学ぶようになりました。私自身もコーチングを受けるようになり、世界が変わり、自分にとって大変大きな出来事となりました。

 

 

―― 重次さん自身がコーチングを受けてどのような変化があったのですか?

 

私は自分の駄目なところをフォーカスして「だから自分はこうなのか」と欠点ばかりを自分で指摘する発言が多かったらしいんです。コーチの方に「それは違う。あなたはもっと良いところがあるのにそこに目を向けないのは違うのでは」とアドバイスをもらったことが、「自分の強みを活かす」方法を学ぶきっかけとなりました。

 

その時のコーチはストレングスコーチではなかったのですが、「あなたはこういうことを知るといいのではないか」とストレングスファインダー®の存在を教えていただいたので、コーチングを1年半位学んだ後、ストレングスコーチを学び、資格を取得しました。

 

 


コーチングによって日本の組織を元気にするお手伝いがしたい

 

 

―― それからどのようにプロのコーチへと進まれたのですか?

 

コーチングで学んだことを、自分のいる組織に持ち帰って積極的に提案をしたのですが、なかなか受け入れてもらえず、大きな組織でコーチング的なコミュニケーションを取り入れ、実行する難しさを感じていました。しばらく悩んでいたのですが、人生100年まだまだチャレンジできると思い、夫とも相談し、思い切ってコーチとして仕事していくことに決めました。

 

とにかく自分がやるべきことをやろうと思っていたので、不思議なことに不安は感じなかったですね。数年間はこれまでのような収入が得られない可能性についても夫が理解してくれ、どちらかというと夫の方が背中を押してくれた感じですね。仕事しているときの顔と、コーチとしての活動をやっている時では全然顔が違っていたと教えてくれました。

 

 

 

―― 独立されてもうすぐ2年が経ちますが、改めて現在のお仕事についてどう思われますか?

 

自分のミッションとして「日本の組織が元気になる」お手伝いがしたいというのが根底にあります。組織の中で働いているビジネスマンが意欲を持って働くことができて、その結果、成果が上がることに貢献できればと思っています。そのために幅広くチャレンジしている時期です。勤めていた時とは違った面白さと充実感を日々感じています。コーチングをさせてもらう中で、皆さんの強みや素晴らしいところはたくさん見つかります。多くの方に、そのことに気づいてもらい、今以上に才能を発揮してもらいたいなと思っています。コーチングを受けられた後に強みを発揮されている方をみると私も本当にうれしく感じています。

 

 

 

コーチングを身近なものとして取り入れてもらい、多くの人に受けてもらいたい

 

―― me:Riseに関わるきっかけを教えてください

 

株式会社ルバートの松上さんに声をかけていただいたことがきっかけです。そして、me:Riseは、「より多くの方にコーチングを活用してもらいたい」と様々な工夫や検討を重ねているところに共感したからです。

遠い存在のコーチングではなく、身近なものとして取り入れていただければと思っています。

 

 

―― コーチングをするとき心掛けていることはどんなことですか?また、印象に残っているセッションがあれば教えてください。

 

その方の「強み」や「力を発揮するとき」を一緒に探求するという気持ちで関わるように心がけています。

 

印象に残っているセッションは、クライアントさんが大きく変化されたと感じたセッションです。その方は、“会社生活でやや先がみえてきたので、これから先どうするか考えたい”という話でした。そこから強みを二人で探求していくうちに、「自分はこういうところで活躍でいるかもしれない」、「こういう分野でもっとみんなに貢献して力を発揮できるかもしれない」と、どんどんご自分で気づき始め、行動されるようになりました。すると成果として表れるようになり、リーダーとなり、さらに管理職となって話す内容も変化されるようになりました。元々は「自分のこれからについて考えたい」というお話だったのが、「自分の部下にどうしたらもっとイキイキと働いてもらえるだろうか」という内容に変わっていきました。最近では「もっともっと突っ込む質問をしてください(笑)」と言われるほどで、私も気が引き締まる思いです。この方の劇的な変化をとてもうれしく思っています。

 

 

―― セッションの中でよくしている問いかけがあれば、教えてください。

 

いちばんによく聞いている問いは、「どんなときに時間を忘れて夢中になられますか?」もしくは「今まで本当に夢中になってわくわくして、やりきれたことは何かありますか?」で、その方のフローの状況がどういう状態かを聞くようにしています。

この問いかけによって、「自分はこれが大事だ」と気づかれます。

 

 

―― 重次さんからご覧になったme:Riseの良さとは何ですか?

 

色んな方面で活躍しているタイプの違うコーチが沢山いることですね。コーチの皆さんのカラーがはっきりしているので、自分にあったコーチを見つけやすいのではと思います。コーチの皆さんそれぞれにストーリーがあって、もっと深く聞いてみたい、どういう心の変化があったのだろうと人間味を感じる方ばかりですね。アスリートコーチもいればキャリアコーチもいるバラエティ豊かなコーチ陣がme:Riseの魅力だと思います。

 

 



【Profile】

重次 泰子

日本銀行で国際金融調査、為替のディーリング業務に約10年従事。4年間の子育て期間を経て、三菱総合研究所で金融経済のリサーチ業務に計13年携わる一方、「メンバーの幸福度とチームの成果の両方を引き上げる仕組みづくりはないか」という問題意識を持ち、コーチングを学ぶ。 現在は個人とチームのリソースを最大限に活かし、成果を上げることを目標に、ビジネスパーソン向けのコーチングや、企業研修などを中心に活動中。 個人の強みにフォーカスし、その人らしさを活かして成果を上げるコーチングに定評がある。 

  

国際コーチ連盟認定コーチ(ACC) 、GALLUP認定ストレングス・コーチ