職場の環境の変化やライフイベントをきっかけに、悩み事が増えたり、ストレスが溜まって思考停止に陥ってしまう、または思考が堂々巡りになってしまう・・・。そんな時にme:Riseの利用を決意される方が多くいらっしゃいます。
今回は多くの企業で新年度が始まる4月ということで、社内異動をきっかけにme:Riseを始めた3名のユーザー様へのインタビューから読み取れる「コーチングの効果」について検証したいと思います。
● ITサービス マーケティング部マネージャー 星安 宏美さん(インタビュー全文)
→未経験職へ希望して異動。昇進後にme:Riseの受講開始。
● 情報通信産業勤務 ダイバーシティ推進担当 柘植 紋子さん(インタビュー全文)
→会社の要請で未経験職に異動。
● 情報通信会社勤務 大谷 光久さん(インタビュー全文)
→会社の要請で未経験職に異動。me:Rise受講中も、更なる異動を経験。
目次
1. 異動時にme:Riseを受けようと思った時のきっかけは?
2. コーチングに期待していたことは?
3. me:Riseのコーチとの1対1のセッションの内容は?
4. me:Riseを受けた後の考え方や心境の変化は?
5. me:Riseを受けた後の行動の変化は?
6. 3名の共通点から読み取れるコーチングの効果とは?
1. 異動時にme:Riseを受けようと思った時のきっかけは?
新卒で入った会社に約15年勤務している柘植さんは、これまで経験してきた営業・マーケティング部門からダイバーシティ推進室への異動により、働くことについて自分の考えを整理するために、コーチングを探し始めたそうです。
ダイバーシティ推進の担当領域は幅広いですが、その一つである女性のキャリア形成支援について、これまでは、私自身がダイバーシティ推進担当から働きかけられる立場だったものから、今後は自分が働きかけていく立場になるにあたり、せっかくの機会なので、自分にとって働くことはどういったことなのかを整理しておきたいと思い、コーチングを探し始めました。
柘植さんと同様に転職経験ゼロの大谷さんは、未経験職への異動後の戸惑いから、キャリアチェンジするためにme:Riseで受け始めたとのことです。
異動して全く経験のない業務の担当になって戸惑っていたので、単純にキャリアチェンジできれば良いと思っていました。ですから最初は「キャリアチェンジするにはどうすればよいのか」ということばかり話していたように思います(笑)。
星安さんは、社内公募を利用して希望した部署に異動された後、マネージャーに昇進したことで仕事に追われる日々が続き、将来のキャリアについて思い悩んでいたそうです。
少し前からSEとは違う職種に行きたいなと考えていました。(中略)そんな時に興味があったマーケティング部署で社内公募があり、挑戦してみようという思いで応募し、異動しました。異動して時間はコントロールしやすくなったものの、半年後に縁あってマネージャーになり、これまで以上に仕事に追われる生活になってしまって、「このままでいいのかな、これからどうしようかな」と思うようになりました。このまま忙しいのも辛いだけだし、かといって転職するのか?どうするのか?転職したら変わるのか?と、判断つかない時に、たまたまme:Riseのサービス開始の話を聞き、もしかしたら、会社以外の人に話したら整理ができるというか、解決できるのかな?と思ってやってみようと思ったんです。
2. コーチングに期待していたことは?
柘植さんは、コーチングを受けることによって、異動した場所でどうパフォーマンスを発揮していくのかに加えて、長期的なキャリアについてじっくりと考えたかったそうです。
最初はかなりふわっとしたイメージしかなかったです。 異動によりこれまでのキャリアを振り返る良い機会だったことと、人生100年時代と言われている中で、この先の40代、50代の自分を想像した時に、「この先もずっと同じ会社にいるのか?」、「営業キャリアに戻るのか、別のキャリアの形を考えるのか」など、どう働きたいんだろうというところをじっくり考えたいと思っていました。当時異動して間もないタイミングだったので、新しい部門で「自分がどういう価値を生み出すべきなのか」、「何を期待されていて、何が自分にできそうなことなのか」を具体化することもコーチングに期待していたところです。
星安さんは、仕事に追われる辛さから抜け出し、前向きな気持ちへの切り替えを含めて、コーチに伴走してもらいながら現状と将来のキャリアについて整理したいと考えていたようです。
このすごく辛い状況の気持ちを少しでも前向きにして、転職したら変わるのか?ということも含めて、今の状況を整理できたらいいな、と思っていました。そして、「これからどうしていきたいのか?」「どうしたいのか?」が自分で見えていなかったので、それを一緒に整理して決めたいなと思っていました。
3. me:Riseのコーチとの1対1のセッションの内容は?
約2年半、me:Riseを継続している星安さんですが、仕事に追われる辛い状況だったコーチング開始から数か月は、目の前の状況をどう切り抜けていくかを考えることにフォーカスしていたようです。その後ご自身の方向性が明確になってからは、思考→言語化→行動のサイクルを回すことが習慣化されています。また、思考と行動を実際に書き出して自分で振り返るセルフコーチングも組み込むなどして、コーチングセッションの時間を有意義に使っているそうです。
”(開始後半年くらいの)セッションでは、自分にとって何が嫌で、何が良いか、将来どうしたいか?ということを結構考えましたね。最初の頃は、「辛い状況をどうするか」「土日仕事するのは辛いから、時間決めよう」「人に頼めない」とか細かい話を繰り返していました。その上で「将来どうしていきたい?」という話をしていて、余裕をもった気持ちで働けるといいなという想いが出てきたんです。そして、自分のやりたいこと、得意そうなことを洗い出した時に、それを活かせる仕事をしたいという想いも加わり、今の仕事でも活かせるけれど、将来的に別の仕事もやってみたいなという気持ちもあって、その為に準備しておこうと思ったんですよね。
最初に振り返ってから、次にやることを考える、ということをコーチングセッションの中でやって(いました)。例えば、これをやると決めたことを1週間やってみて、これは上手くいかないと思ったら、次の週に何故うまくいかないか、という自分の中の棚卸と、じゃあこうやってみようかという作戦を立てるサイクルを自身で回せるようになってきた感じです。
私はコーチングのセッション前に1か月の振り返りをコーチにメールしているのですが、その振り返りの中で出てきた、次こうしてみようと思うことと、これから先どうしていきたいかという部分を話すことが多くなってきたかなと思います。(振り返りのメールは)私から勝手に送りつけているんですけれど(笑)、1か月を振り返って、前回のセッションのメモを見ながら、これをやろうとしていたよね、こうだったよな、何をやったかな?とか自分の中で洗い出しをして、セッションで話したいことをざっくり書いて送っています。セッション時間が1時間ですので有効に使いたく、自分でできることはやっておいて、なるべくこれからのことについて話す時間を増やしたいと思ってやっています。今月何もやっていなかったな、あまり何も進んでいないな、とやっぱり書き出すことでわかるんですよね。それまではコーチからの問いかけでやっていたのですが、予め自分で書き出すことでわかるようになりました。
柘植さんは、ストレングスファインダーⓇの受検結果を用いた重次コーチによるコーチングを受けられました。 星安さんと同様に、コーチングセッションでコーチとの対話を通して自己理解を深めて、次回のセッションまでに自分で設定した「宿題」を実行されていました。
仕事がうまくいっていない時は、自分のスキルが足りないからというより、持っている資質が強く働きすぎて悪い方に作用しているケースが多いことや、資質が悪く働いてしまう時に自分はどんな言動が出やすいのか、などをコーチに解説してもらいました。「●●の素質を持つ人はこんななタイプです」という解説文を読むだけだと、あてはまるところも、そうでないところもあるな、というレベルの理解で終わってしまいますが、「今のその発言、まさしく●●な言動ですね」といった具体的なフィードバックがあると理解度が全然違います。<\span>本来であれば強みである資質が悪く作用してしまってうまくかないときも、自分が持っている別の資質を使うことで、こうやって打ち消せる可能性がある、などポジティブ・ネガティブ両面での資質理解のヒントをもらいました。(自分に)ないものを無理に伸ばそうとするのではなく、「持っているものをうまく使う方法」を考えることができたことがとても良かったと思っています。
毎回セッションの最後に、次回までに取り組む宿題を決めます。初回は(ストレングスファインダーⓇの受検結果で判明した自分の)資質について解説を聞き理解を深めたうえで、次のセッションまでに「自分の気持ちがざわっとしたシーンを書き留めて、自分のどんな資質が働いているかを意識してメモする」ということを試みました。これにより、自分の感情の変化に敏感になり、資質の理解も深まりました。2回目以降は、「今日の内容を踏まえて、次回までに何ができますか?」と問われるので、その日のセッションでの対話を通じて「これなら出来そう」というものを宿題に設定しています。
4. me:Riseを受けた後の考え方や心境の変化は?
キャリアチェンジのためにme:Riseを受け始めた大谷さんですが、長期的な視点で本来あるべき自分や目指すことを俯瞰して考えた結果、大きな思考の変化があったようです。
最初は、キャリアチェンジをして今の環境を変えたいと考えていたのですが、結局これがだめなら次に行くという思考でしかなかったんですよね。コーチングを受けることで、本来あるべき自分や目指しているところがわかってきました。それが、「生涯現役で働きたい」というものなのですが、そこに近づくために今は何ができるのだろう?という思考になっていきました。ずいぶん違ったものの見方ができるようになったと思います。短期的な振れ幅ではなく、自分が長期的に目指したいところがあるからこそ、それに則った決断ができるようになったということですね。決して現状だけを考えた決断ではなくなったので、キャリアチェンジではなくて今の仕事をやりながら何か別のことを見つけていくことが、自分にとってベストだと分かったんです。
今ちょうど仕事が忙しいこともあって「このままここにいる意味は?」と再び考えるようになってきたのですが、自分の思考サイクルに気付いて「面白い」と感じるようになりました。ある意味、俯瞰して自分のことを見ることができるようになったのかもしれません。(中略)山登りでいえば、目指す頂上がある中で、今どの地点にいるのか?をイメージできるようになった感覚です。今までの自分の足元だけを見て、前が見えず霧の中で進んでいたような感覚との違いを感じています。会社にいることも、目指すべきところに行くためのごく一部にすぎないと思えるようになりました。今はまだまだ登り口ですが、早く頂上に向けて進んでいきたいと思っています。
柘植さんは、「自分は深く考えることが好き」という資質を認識したことで、急いで答えを出すのではなく、思考の癖を矯正しながら、ポジティブマインドで継続して考え続けるという新たな思考パターンにシフトしていることを実感されています。
考え続けていくことが自分にとっては良さそうです。資質理解により、自分は深く考えることが好きだという事を発見したので、キャリアを考えることは自分の命題のひとつとして持ち続けながら、さまざまな情報や考え方に触れる度に「こういう考え方もあるのだ」と自分の引き出しの中に入れていって、いつかそれが自分なりの答えにつながればいいなと思っています。まだ答えがない問いの存在を受け入れることで、何もせず悩んで時間を無駄にしているのではなく、自分は問いについて考えることそのものを楽しんでいて、急いで答えを出すのではなく熟すのを待つ時間なんだと捉える事ができるようになり、とてもスッキリしましたし、今は考えること自体を楽しめています。
100%解決しなくても、「継続して取り組み続けている」と自分自身がポジティブに感じられているということが、良いことだと感じています。自分の思考の癖を1つずつ意識していくという過程で、今まで持っていなかった思考パターンを新たにつくる訓練をしているイメージです。例えば、今まで動いていなかった筋肉を動かし始めて使えるようにする筋トレに似ているかもしれません。大きな変化はまだありませんが、この先どんな変化があるか楽しみです。誰しも思考の癖を持っていると思いますが、自分自身でそれに気づくのは難易度が高いですし、利害関係のある上司ではなく、コーチという第三者からフラットな形でフィードバックを得られる機会は貴重です。
星安さんは、「こうじゃなければいけない」「できない」という思考の癖から、コーチングセッションで考え方の切り替えを繰り返し行ったことで、「自分が望む状態になるために、どうすればよいか?」というポジティブな思考に変化したそうです。
(自分の)考え方がもともと「こうじゃなければいけない」という考え方だったなと思うんですね。一方方向しか向けていなかったけれど、コーチと話す中でいろいろな方向からの意見というか見方を返してもらいました。私はこう見ているけれど、コーチからするとそれは違うように見えるということは結構ありましたね。最初、特に印象的だったのは、私は創造的に何かを考えるとかイチからプランを考えるとか、何もないところから考えるということが苦手なのですが、「既に何かアイデアがあって、それを元にアイデアを広げていくというのはできるんです。例えば絵でいうと、すでに絵がある程度書いてあって、元ある絵のイメージからつけ足したり、工夫してそれを発展させていたりするということとか」という話をしたら、「イメージが広げられるってすばらしいですね」と言われたんです。自分はマイナスに思っていたところをコーチから見たら、そんなにマイナスではないんじゃない?という見方、というのを与えられて、すごく驚きました。そして「あぁそうか」と。自分はマイナス面で思っているけれど、他の人からしたらそこはマイナスではないかもしれないと気付いたことですね。
すごく仕事や家事に追われていて、他のことは何もできないと思っていたけれど、意外とこれをするためにどうしたらよいのかな?という思考をすると、わざわざ時間を作ろうとするんですよね。できないじゃなくて、どうやったらできるかなという考え方の切り替えをセッションの中で繰り返しやってきたことで、だいぶできるようになったんじゃないかなと思っています。
(結果としてチャレンジしたことが)できなかった時に、「次はどうやったらできるかな?」とか、コーチの橋本さんによく言われるのが、「もう1回やるとしたら、どうやるかを考えてみて、次に備える」ということとか、失敗してもそれを活かして次!というポジティブな考え方がベースにできてきた感じがします。当初の「ワークバランスを取るには?」については、まだ解決はできていませんが、気持ちの面で、八方ふさがりになってしまうということはなくなりましたね。「大変だけれど、じゃあどうしたら良いか」、「この勉強をしたいけれど、どう時間をとるか」といったように、仕事だけではない、今までは仕事と家のことで全部埋まっていたのがそうではない状態にはなっているということは変化したところだと思います。
5. me:Riseを受けた後の行動の変化は?
柘植さんは、ご自身が他の領域で培ってきた経験や価値を活かしたアウトプットができるようになったそうです。
はじめは「異動先の部門でどんな価値を出せるか」という焦りもありました。異動により役割が変わっても、これまでのセールス・プロモーション・マーケティングの観点は活かし方があるし、そこに自分の強みや資質を掛け合わせることで、私だから出来ること・価値があるということを整理・棚卸できたので、それを今の部門で活かすにはどうしたらよいか?どんな働きかけをしたら自分の提案が取り入れてもらいやすくなるか?ということを考えながらアウトプットできるようになりました。
大谷さんは、キャリアチェンジではなく、今の仕事をやりながら何か別のことを見つけていくことが、自分にとってベストだと認識されて、社外で新たなチャレンジをスタートされました。
小学校の特別支援員を始めました。(中略)生きていくための給料を貰う仕事をしつつも、潜在的にやってみたかったことを休みの時間で少しだけでもチャレンジできるということは幸せだと思っています。思いもしなかったような道が開けた感じですね。(中略)会社以外の活動ができたことが変化ですが、これからはさらにボランティアだけではなく、稼ぐモデルを作れたらよいなと思っています。雇われているだけではなく、自分で何か残せるようなものができたらと思っています。勤めていると自分で時間を決めることができない部分が大きく、自分でハンドリングできないことが多いのですけれど、自分で仕事をハンドリングできるものを一つ持ちたいと思っています。そこを早く具体的にして進めていきたいと思っています。
星安さんは、コーチングを通して、自分が大切にしたいことが明確になり、忙しい中でも行動計画を立てて、資格取得の勉強を始められました(その後、無事に合格されました!)。
もともと資格をとると達成感があるので、結構好きで、マーケティングなどの資格も簡単なものから地道に取ってました。コーチングの中で、自分は何が得意か?ということを洗い出して、「人と関わること」とか「人と人との潤滑油的なこと」、そして「相手の状況とか気持ちとかを考えて声を掛けること」が得意だし、大切にしたいことだと分かったんです。もともと教育学部出身で先生になりたかったこともあって、人を育てるようなこともやりたいという気持ちもありました。何か今の仕事絡めて勉強できるような資格はあるかなと探した時にキャリアコンサルタントの資格を見つけて、勉強してみようと始めました。
あれやりたい、これやりたい、とやりたい事が出てきた時に、どの時間でやるのかを決めて具体的な行動まで落とすことで、より早くやりたいことを行うことができます。例えば、細かいですが、朝、電車の待合室に10分早く行って、そこで10分間本を読んでから会社に行ってみるとか、そんなトライ&エラーをずっと続けていて、それを自分の中でサイクルを回しながら、次にしたいことを言語化する機会が月1で来るからこそ、より早く前に進められている感じがしています。進めるというか、より早いスピードで成長できるようになるというところが(me:Riseを)継続するメリットとして大きいのではないかと思います。
6. 3名の共通点から読み取れるコーチングの効果とは?
今回インタビューさせていただいた3名のユーザー様は、緊急度や重要度に個人差はありますが、部署異動後の「変化や迷い」 に対処したいという理由で、me:Riseを受け始められました。
me:Riseを受けた結果、思考を切り替えたり、視野を広げるためにコーチとの対話と自分との対話を繰り返すことによって、3名とも「負の思考のループ」から抜け出して、ポジティブな考え方へと変わったようです。また、自分の状況を俯瞰して分析したり、実際に行動してみてトライ&エラーを継続することが習慣化されているようです。そして、自分の価値観や長期的なビジョンから誘発されて、新たなチャレンジを実現されています。
「今の状況からどうにかして抜け出したい」という状況下においては、「どうやって抜け出すか?」という方法論や戦術を見つけることからスタートするのではなく、「何がそう思わせているのか?」「なぜそう思うのか?」をコーチングの手法を用いて繰り返し考えて、<「自分がどうありたいのか?」を明確にしてみると、必要な情報収集ややるべきことも具体化されて早く見つけやすくなる。そして、自分自身の成長スピードが加速する。そんなコーチングの効果を実感されたのではないでしょうか。